ベトナム政府は2026年6月26日、自家発電・自家消費型の屋根置き太陽光発電について新たな政令を公布・施行した(243/2026/ND-CP)。政令では、国の電力系統へ売却できる余剰電力の上限を、従来の20%から原則50%へと引き上げる。
ただし買取価格は、前年の価格に応じて変わり、家庭や工場が支払う電力の小売料金を下回る水準だ。制度を改正することで、電力を家庭や事業所などでさらに生産できるように促す狙いがある。
余剰売電の上限を20%から原則50%へ
今回公布・施行された政令は、2025年に整備された制度を改正するものである。
大きな変更点は、自家消費型の屋根置き太陽光について、国の電力系統へ売却できる余剰電力の上限を、従来の20%から原則50%へ引き上げたことにある。

買取単価は小売料金を下回る
注意すべきポイントは、売却できる量が増えている一方で、単価は小売料金を下回る。
今回施行された政令243号によると、余剰電力の買取価格は、前年の電力市場平均価格を基準として決まる。かつては固定価格買取制度(FIT)が採用されており、手厚く優遇されていた。しかし今回は、毎年価格が変わる、市場連動型となる。
実額では、商工省(MOIT)が適用している単価は1キロワット時あたり1,050VND(約6.4円)で、家庭や事業者が支払う小売料金1,950〜3,610VND(約12〜22円)を大きく下回る(単価はいずれも2026年4月時点、出所:Reslink Energy) 。また、売電先も国営ベトナム電力(EVN)に限られる。つまり、余剰を売って得られる収入よりも、自家消費して売電を減らすほうが経済的に有利な構造だ。

なぜ原則50%までしか売れないのか?
原則50%まで販売できるという条件には、ベトナムが過去に経験した太陽光発電の急拡大とその反動がある。
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