ベトナムにおいて電気自動車(EV)の普及が急速に進む中、商工省(MoIT)はEV向け充電スタンドおよび充電ステーションに関する国家技術基準(QCVN)の草案を公表した。充電設備の技術仕様や出力、事業者の投資モデルが多様化する一方で統一基準が不在だった状況を是正し、安全面および運用面における最低限の管理枠組みを確立する狙いがある。

本通達は2027年7月1日の施行が予定されており、ベトナム進出を検討する自動車関連企業やインフラ投資企業にとって極めて重要な規制動向となる。

ベトナム EV充電市場の急拡大と国家基準策定の背景

東南アジア諸国の中でも、ベトナムのEV市場は目覚ましいスピードで拡大を続けている。国内最大手VinFastを中心とした積極的なインフラ投資により、全国で15万口を超える充電ポートが整備され、都市部や幹線道路沿いには最大出力360kW級の超急速充電器の設置も進んでいる。

しかし、急速な普及の一方で、充電インフラの安全性や規格統一に関する法整備は後手に回っていた。これまで充電設備の設計、送配電網への接続、敷地内のレイアウト、防火安全対策などは関連省庁の個別法規に分散しており、統合された国家規格が存在しなかった。その結果、事業者ごとに仕様や施工品質のばらつきが生じ、電力系統への負荷や火災リスクへの懸念が高まっていた。

こうした課題を解消し、健全なEVエコシステムを構築するため、商工省は機器の製造・輸入から設置、運用、検査に至るライフサイクル全体を網羅した国家技術基準(QCVN)の策定に踏み切ったと推測される。

ベトナム EV充電インフラに求められる安全・設置基準の詳細

公表された技術基準案は、公共エリア、商業施設駐車場、高速道路の休憩所などに設置される充電ステーションを主たる対象としている。ステーション全体を一括認証する形式ではなく、設計、施工、検収、運用の各プロセスで個別具体的な安全条件を満たす方式を採用している点が特徴である。

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