日本や中国メーカーなど外資勢が主導してきたベトナムの二輪車市場で、電気自動車(EV)大手ビンファストを筆頭に地場メーカーが電動車を軸に攻勢を強めている。
国際エネルギー機関(IEA)によると、2025年のベトナムの二輪販売に占める電動二輪の割合は22%と前年の約10%から大幅に拡大し、世界平均(約14%)も大きく上回った。25年は世界の電動二輪販売の前年比増加分(約130万台)の約3割をベトナムが占め、世界市場の成長を押し上げた。
電動二輪シェア22% ベトナムが世界成長をけん引
IEAが発表した「世界EV見通し2026」によると、ベトナムは東南アジア最大の電動二輪(e2W)市場であり、2025年の販売台数は前年から倍増し約73万5,000台に達した。
この結果、国内の二輪車販売全体に占める電動車比率は20%を超え、ベトナムは2025年の世界の電動二輪販売増加分の30%以上を占めた計算になる。東南アジア全体のe2W販売は2020年の約23万5,000台から2025年には約90万台まで拡大しており、この地域成長のけん引役がベトナムであることをIEAは強調している。
また、中国・トルコ・インド・ベトナムの4カ国だけで世界の電動二輪・三輪販売の95%を占めている。

「地域別 電動二輪シェア(%)の推移(2020〜2025年)」
| 年 | 中国 | インド | ベトナム | インドネシア | その他アジア | ヨーロッパ | 世界全体 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2020 | 50 | 0 | 7 | 0 | 2 | 5 | 15 |
| 2021 | 63 | 1 | 9 | 0 | 2 | 7 | 18 |
| 2022 | 49 | 4 | 8 | 0 | 2 | 9 | 14 |
| 2023 | 50 | 5 | 9 | 1 | 3 | 7 | 14 |
| 2024 | 51 | 6 | 10 | 2 | 3 | 6 | 13 |
| 2025 | 56 | 6 | 22 | 1 | 3 | 6 | 14 |
ハノイの低排出ゾーンが電動二輪シフトを後押し
市場拡大を後押しするのが、ガソリン車から電動車への転換を促す政策である。ハノイ市人民評議会が2025年11月26日に採択した決議57号(No.57/2025/NQ-HĐND)に基づき、2026年7月1日から市中心部の環状1号線内にある9つの坊で、時間帯を区切ったガソリン二輪車の走行制限が始まった。
対象区域の指定基準には、都市計画上の「厳格保護区域・排出制限区域」に該当することに加え、交通渋滞レベル(ベトナム基準TCVN 13592:2022でD〜Fランク)や大気質指数(AQI)が平均以下であることが挙げられている。
ハノイ市人民委員会が発出した決定3273/QĐ-UBND(2026年)により事業計画が正式承認されており、2031年以降はこの基準を満たす区域が市内全域へ段階的に拡大される計画だ。IEAも「LEZが消費者によるガソリン車から電動二輪への買い替えを促す可能性がある」と分析しており、規制と市場成長が相互に作用している構図が浮かび上がる。

2026年7月1日からの低排出ゾーン試行案における区域境界線および対象範囲マップ(出所)Tuoi Tre
日系メーカーも電動二輪へ転換 Honda「UC3」発売
日本メーカーも電動車への対応を急ぐ。Honda Vietnam(HVN)は2026年6月26日、新型電動二輪「UC3」をベトナム国内の正規販売店で発売した。
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