ベトナム政府は、事業用車両や社内輸送車に走行監視装置、運転者・客室の映像記録装置を求める政令319号を公布した。2027年7月1日に施行し、一部の映像記録義務は2028~2030年に段階適用する。機器導入だけでなく、リアルタイム送信、長期保存、プライバシー管理まで企業の対応範囲が広がる。

ドライブレコーダー義務化、社内輸送車も対象

対象は運送事業者だけでなく社内輸送車も

政令319/2026/NĐ-CPは2026年8月13日に公布され、2027年7月1日に発効する。対象は旅客・貨物の事業用自動車に限らず、けん引車、救急車、道路救援車、企業が自社の従業員や貨物を運ぶ「社内輸送車(xe vận tải nội bộ)」まで含む。ベトナム国内で工場、物流拠点、事業所間のシャトルバスや自社配送車を運用する製造業・小売業なども、保有車両が対象か確認する必要がある。

一方、装置の種類によって適用時期は異なる。8席未満の旅客運送車、貨物運送車(けん引車を除く)、社内輸送車への運転者映像記録装置は2028年1月1日から。

29席超の旅客運送車の客室映像は2029年1月1日、8~29席の旅客運送車は2030年1月1日から義務となる。2027年7月の政令施行と、車種別の追加義務を分けて管理することが重要だ。政令は従来の政令151号などにあった監視装置関連規定の一部を廃止・置換し、走行監視、運転者映像、客室映像を新しい枠組みに整理する。既存制度の単純な延長ではなく、監視対象とデータ管理をまとめ直す改定と位置づけられる。

走行データから車内映像まで継続記録

装置は走行経路、速度、駐停車の回数・時間、連続運転時間などを記録する。運転者映像はあらゆる照明条件で継続記録し、客室映像装置は車内に加えて乗降者の画像も記録する。装置は一体型でも複数機器の組み合わせでもよいが、今後公安省が定める国家技術基準を満たさなければならない。

さらに政令は、法令違反や交通安全上の危険行為を自動検知し、安全警告を出す機能を想定している。AIを使ってこの機能を実現する場合は、AIに関する法令にも従う必要がある。車載カメラの追加だけで完結する制度ではなく、通信、解析、警告、データ管理を一体で設計する方向に制度が移っている。

機器選定よりデータ管理が企業対応の鍵

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