米国が半導体製造の国内回帰を進める中、ベトナムが世界のサプライチェーンで役割を広げる機会が生まれている。電子機器の輸出基盤やアジアの主要生産地に近い立地を生かし、チップの組み立て、検査、パッケージングといった中・後工程での成長が期待される。一方、投資を継続的に呼び込むには、専門人材の育成、安定した電力供給、政策を実行する行政力が欠かせない。

ベトナム半導体産業、中・後工程で高まる成長機会
米国では、2022 年に成立した「CHIPS and Science Act」に基づき、半導体の製造や研究開発、人材育成に 5 年間で 527 億米ドルを投じる政策が進められている。
このうち、390億米ドルは米国内の半導体工場や製造装置・材料関連施設への投資支援、110 億米ドルは研究開発、20 億米ドルは国防向けマイクロエレクトロニクス事業に充てられる。米国の半導体政策は、国内生産を増やすだけでなく、友好国との分業によって供給網を分散・強靱化することも目的としている。
ベトナムにとっては、米国や企業が新たな生産拠点を探す中で、半導体関連投資を受け入れる好機となる。

ベトナムが持つ半導体サプライチェーン上の強み
ベトナムは、韓国、台湾、中国などの電子産業集積地に近く、スマートフォンや電子部品の輸出産業も発展している。こうした既存の製造基盤は、半導体の中・後工程を拡大するうえで重要な土台となる。
米国務省は 2023 年、ベトナム政府と半導体サプライチェーンの機会を探る協力を開始した。米国務省によると、協力ではベトナムがすでに持つ「組み立て、検査、パッケージング」の強みを基盤に、投資誘致や技術人材の拡大を目指す。
“This collaboration strives to identify new opportunities that attract industry investments
and expand the technical workforces in both countries.”
「この協力は、産業投資を呼び込み、両国の技術人材を拡大する新たな機会の特定を目指す」
[出典:米国務省]米国務省直接引用
※米国務省発表の英文を日本語訳。本文では翻訳引用として掲載。
検査・パッケージング分野に成長余地
続きを読むには会員登録またはログインが必要です。
