ベトナム北部電力総公社(EVNNPC)は、2027年の最大電力需要(Pmax)が2万3,500~2万3,800MWとなり、2026年比12~12.5%増えると予測する。新規負荷登録は2030年までに約1万1,200MWに達する一方、工業集積地では変電設備の余力が縮小しており、製造業の立地判断にも系統接続の視点が欠かせなくなっている。

2027年Pmaxは2万3,800MW近く、新規負荷も急増

2026年のピークは2万1,142MW、前年比11.4%増

EVNNPCによると、2026年のPmaxは6月24日午後10時30分に2万1,142MWを記録し、2025年のピークを約11.4%上回った。2027年はさらに2万3,500~2万3,800MWへ増え、12~12.5%の伸びを見込む。7カ月の電力販売量も681億1,000万kWhと前年同期比12.82%増加しており、瞬間的なピークだけでなく電力量ベースでも需要が強い。

地域別のPmax伸び率はハティン省25.2%、ゲアン省14.6%、トゥエンクアン省14.3%、タインホア省13.5%、ライチャウ省13%、ニンビン省12.9%、バクニン省12.6%など。工業投資の進む複数地域で2桁の伸びとなり、北部全体で系統設備への負荷が強まっている。

2030年までの新規負荷登録は約1万1,200MW

2026年残りの期間から2030年までにEVNNPC管内で登録されている新規負荷容量は約1万1,200MWに上る。内訳はタインホア2,177MW、ハティン1,800MW、タイグエン1,696MW、ニンビン1,150MW、バクニン874MW、フート821MWなどで、上位6省だけで約8,518MW、全体の約76%を占める。

ただし、EVNNPCは登録容量をそのまま実需として扱っていない。顧客が登録した容量が実際の使用電力を大きく上回る例や、工場・プロジェクトの進捗が月次・四半期で十分更新されていない例があるため、顧客への直接確認を増やして需要予測を精緻化する方針だ。送配電投資は数年単位で進むため、需要を過大に見積もれば過剰投資、過小に見積もれば接続不足につながる。急増する負荷と予測精度の両方が課題になっている。

系統増強を前倒し、工業立地は「受電余力」も評価へ

バクニンでは220kV設備の予備力が低下

工業集積が進むバクニンでは、最大需要が域内の220kV変圧器の総設備容量にほぼ並び、予備力が非常に低い状態にある。EVN傘下の国家送電総公社(EVNNPT)とEVNNPCは、500kVバクニン変電所を2027年第2四半期、220kVイエンズン変電所と220kVバクニン5変電所を2027年4月までに完成させる計画だ。ハイフォン、ニンビン、タインホアなどでも220kV設備の新設・増強を急いでいる。

EVNNPCは負荷だけでなく、発電設備と送配電網を一体で再点検している。2026~2030年に予定される新規電源のうち、接続点が未確定の案件が24件あるとされ、発電容量を増やしても送電線や変電所が追いつかなければ電力を需要地へ届けられない。2027年以降は「発電量が足りるか」だけでなく、「どの地点で受け入れ、どの系統で送るか」が供給安定性を左右する。

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