ベトナム初上陸の「Kidzooona Safari」、人口急増エリアにオープン
イオンファンタジーの子会社、イオンファンタジーベトナムは2026年6月1日、ハノイ市ハドン区の「イオンモール ハドン」に体験型屋内プレイグラウンド「Kidzooona Safari イオンモール ハドン店」をオープンした。
「Kidzooona Safari」業態としてはベトナム初進出となる。出店地のハドン区は、ハノイ市中心部から南西約10キロに位置する新興住宅エリアだ。ベトナム最大級の規模を誇る「イオンモール ハドン」をはじめ、都市鉄道などの公共交通網の整備が進んでいる。
周辺では高層アパートや住宅開発プロジェクトが相次ぐ人口増加の著しい地区で、子育て世帯の流入が続くファミリー向け商業施設の集客ポテンシャルが高いエリアとなっている。

2,500万人超の子ども人口を抱えるベトナム市場
ベトナムの2025年実質GDP成長率は前年比8.02%を記録し、1人当たりGDPは初めて5,000ドルを突破した。中間層の拡大と可処分所得の増加を背景に、子どもの教育・体験消費への支出意欲は一段と高まっており、子ども向け遊び場市場は2025年以降も成長が続いている。
ベトナムには現在15歳未満の子どもが2,500万人以上おり、この巨大な消費者層が児童娯楽産業の潜在市場を形成している。業態も屋内遊び場・屋外遊び場・カフェ併設型(Coffee & Kids)・ミニ遊び場(保育園・レストラン・スーパー内設置)など多様化が進む。

政策面でも追い風が吹く。ベトナム政府の「2021〜2030年国家子ども行動計画」は2025年までに全国行政区の40%、2030年までに45%に子ども向け文化・遊び場拠点の整備を目標に掲げているが、現状では大半の地区でこうした施設が不足しており、民間事業者にとっての参入余地は大きい。
また、Savills 2025年第2四半期レポートによれば、月収5,000万ドン以上の若い家族の80%が、高品質な子ども向け遊び設備を持つ不動産プロジェクトを優先的に選んでいるとされ、子ども向け施設の充実が居住選択にも直結している実態が浮かび上がる。

「大自然の冒険」テーマで差別化
新店舗の面積は約1,185㎡。「大自然を旅する冒険」をコンセプトに、象の鼻を模したすべり台やカバの口を使ったバウンサーなど大型立体遊具を配置し、高さ約5メートルからほぼ垂直に滑り降りる「バーティカルスライダー」が目玉コンテンツとなっている。
オリジナルキャラクター「WAO」とコミュニケーションできるアバターブースも設け、デジタルと体験を融合させた空間に仕上げた。
既存の「Kidzooona」や「Fanpekka」とは差別化された冒険テーマを掲げることで、競合が激化する屋内遊び場市場での客層拡大と単価向上を同時に狙う動きとみられる。すでにアミューズメント施設及びプレイグラウンド施設について、ベトナム全国40店舗以上を展開するイオンファンタジーベトナムにとって、人口増加が続くハノイ郊外への積極展開は今後も続く可能性が高い。


ベトナム経済メディアInfoBank 編集長
三浦 賢弥
KENYA MIURA
筑波大学大学院でのベトナム研究・ホーチミン市師範大学での留学を経て、JETRO(日本貿易振興機)に入構。
ベトナム進出コンサルティング・市場調査会社に7年間携わり、2026年1月にベトナム経済メディアInfoBankを企画・運営する株式会社InfoBase創業。代表取締役に就任。
