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ベトナム人、1日あたり約10億円をオンラインショッピングに消費

EC4大プラットフォームの流通取引総額は約8,900億円「ベトナムにおける四半期別 取引売上高(EC主要プラットフォーム合計)」
ECデータプラットフォーム「Metric」の公開情報を基にInfoBank作成

※1ドン=約0.006円(1円=約167ドン)で換算

この程発表された、ECデータプラットフォーム「Metric」のレポートによると、2026年第1四半期にShopee・TikTok Shop・Lazada・Tikiの4プラットフォーム合計のGMV(Gross Merchandise Volume:流通取引総額)14兆8,600億ドン(約8,900億円)に達し、販売商品数は約11億4,000万点となった。前年同期比でそれぞれ約47%増・20%増と大幅な成長を記録している。

1日あたりに換算すると、ベトナム人は約1,669億ドン(約10億円)を消費し、約1,300万点の商品を購入している計算になる。人気カテゴリーは美容・コスメ、レディースファッション、インテリア・生活用品、食品・日用品で、いずれも第1四半期に2桁成長を達成した。

Shopeeはシンガポール発の東南アジア最大級ECプラットフォームでベトナムで圧倒的シェアを誇るショッピングアプリ。シンガポールのSeaグループが2015年に開始。 若者を中心に人気があり、インフルエンサーマーケティングが盛んで、ライブコマースやゲーム機能も充実している。
(出所)ezbuy

旧正月(テト)需要が後押しした面もある。一方、健康・医療関連商品は品質・広告・原産地に関する規制強化の影響で、売上・販売数ともに減少した。EC市場全体の成長率は小売業界全体(前年同期比約11%増)を大きく上回っており、EC化の加速が続いている。

第2四半期の見通しとしては、GMVが前四半期比約4.3%減の14兆2,200億ドン(約8,500億円)に小幅後退する一方、販売数量は約1.3%増の約11億5,000万点とわずかに増加する見込みである。

ShopeeとTikTok Shopが小売市場シェアの8%を占める

Shopeeが市場の5割超を占めるも、Tik Tok Shopが急伸「ベトナムECプラットフォーム別シェア(2024年・2025年)」
ECデータプラットフォーム「Metric」の公開情報を基にInfoBank作成

また、同様に「Metric」が発表した「2025年オンライン小売市場レポート」によると、主要ECプラットフォーム4社(Shopee・TikTok Shop・Lazada・Tiki)の合計GMVは約160億ドルに達し、ShopeeとTikTok Shopの2社だけで小売業界全体の約8%を占めた。購入商品数は36億点超(前年比+15%)で、美容・コスメ、インテリア、日用消費財などが人気カテゴリーとして上位に並んでいる

一方、出店者数は前年比約7.5%減の約60万店舗に減少。取引規模の拡大とは対照的に、品質競争の激化や当局による偽造品取り締まりを背景に市場の淘汰が進んでいるとされる。

特に、2026年7月には電子商取引法が施行され、出店者の本人確認義務化(国民IDのVNeID活用)販売者・ライブコマース配信者の責任明確化など規制が強化される予定。信頼性の向上が期待される半面、対応できない事業者のさらなる退出も見込まれる。

リングライトの円の中に、もぎたてのリュウガンを掲げて笑う女性。バックに広がるのは収穫したばかりの果実の山。仲買人を介さず、スマホのカメラに向かって語りかけるだけで、全国の消費者へ直接届く。ライブコマースは今、ベトナムの農村にも浸透しつつある。(出所)Viet Nam News

TikTok Shop、GMV90%超成長で急追—Shopeeとの差は19ポイントに

また、シンガポールのベンチャー投資会社Momentum Worksが発表した「東南アジアECマーケットレポート2025」によれば、ShopeeとTikTok ShopのベトナムにおけるECプラットフォーム市場シェア差が、わずか1年で半減した。

Shopeeは引き続き首位を維持し、GMV(流通取引総額)は118億ドル超、市場シェア58%を占めた。 2位はTikTok Shopで、GMVは約80億ドル、市場シェアは39%。LazadaとTikiは合わせて残りの3%を分け合った。

上位2プラットフォームの順位は変わらないものの、両者の差は急速に縮まっている。2024年時点ではShopeeが65%、TikTok Shopが28%と37ポイント差だったが、2025年には19ポイント差まで縮小した。

4万8,000店舗が「ゼロ売上」—手数料・規制・正規品志向の三重圧力

手数料引き上げ、税務締め付け、正規品志向の消費者トレンドという三重の圧力により、2025年は数万店舗ものEC出店者が市場から撤退を余儀なくされた。

Metricによると、2025年にShopee・Lazada・TikTok Shop・Tikiの4プラットフォームで売上が発生しなかった店舗は4万8,000店舗以上に上った。繁忙期である第4四半期でさえ、2万750店舗が1件も受注できなかったという。

淘汰の3大要因として次のような要因が指摘されている。

① 税務・品質規制の強化 電子商取引・デジタル経済局は、2025年だけで違反店舗1万3,700店以上を閉鎖した。化粧品・健康食品・粉ミルクの偽造品摘発も相次いだ。

② プラットフォーム手数料の上昇 オンライン販売トレーナーでJulyhouseのCEOを務めるトラン・ラム氏によると、手数料は平均7〜10%上昇した。「もともと薄い利益率に数%上乗せされるだけで、黒字が赤字に転落する」と同氏は指摘する。

③ 正規品ショップへの消費者シフト Metricによると、正規品ショップ(Shop Mall)はShopeeとTikTok Shop全体の店舗数の2%超に過ぎないが、売上の30%以上を占めている。正規品ショップの店舗数はShopeeで11.81%、TikTok Shopで1.14%増加しており、小規模出店者を市場から押し出す構図となっている。

長年ベトナムで問題となっていた模倣品・偽造品の流通であるが、近年はより一層取り締まりが強化されている。(出所)Luat Su Viet Nam

ベトナムEC市場は高成長を続けることは確かだが、手数料上昇・規制強化・正規品志向の三重圧力により、小規模出店者の淘汰が加速している。日本企業にとっては、ブランド力を活かした正規品ショップとしての参入が有効な戦略となり得るだろう。TikTok Shopの急成長も踏まえ、ライブコマースを含むコンテンツ戦略の整備が競争優位の鍵となる。

参考文献

VnExpress

Shopee, TikTok Shop chiếm 8% thị phần ngành bán lẻ

Người Việt chi gần 1.700 tỷ đồng mua sắm trực tuyến mỗi ngày

2025 – năm ‘thanh lọc’ nhà bán hàng trên sàn thương mại điện tử

TikTok Shop rút ngắn khoảng cách thị phần với Shopee

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