ベトナム南部のホーチミン市で、建設資材不足への警戒が強まっている。高速道路や環状道路などのインフラ整備が相次ぐなか、砕石や砂などの需要が拡大し、供給側の対応が追いついていないためだ。
ホーチミン市当局は、今後適切な対策を講じなければ、2026年末にかけて資材不足が一段と深刻になる可能性があるとしている。背景には、公共投資の拡大だけでなく、採石場の採掘能力や新規開発に時間がかかるという構造的な問題が指摘される。
ベトナム・ホーチミン市で建設資材不足
ホーチミン市では現在、道路や高速道路、環状道路など大型インフラ事業の建設が進んでいる。こうした工事では、路盤や舗装、埋め戻しなどに大量の砕石や砂が必要となるため、プロジェクトの進展に伴って建設資材への需要も増加している。
一方、供給力のある一部の採石場に発注が集中している。ホーチミン市市農業・環境局によると、主要な採石場では採掘量が高水準となっており、2026年9月にも年間の許可採掘量の上限に達する可能性がある。
新たな採石場を開発する場合には、鉱物資源だけでなく、土地、環境、投資など複数の手続きを進める必要がある。既存の鉱区を拡張する場合も同様で、需要が増えたからといって短期間で供給能力を引き上げるのは容易ではない。
建設資材不足は砕石から砂にも拡大
今回の問題は、採石場から供給される砕石だけではない。現地報道では、建設用砂や埋め戻し砂、埋め戻し土についても不足が指摘されている。
2026年のホーチミン市では、建設用砕石の需要が約2,816万立方メートルに対し、供給能力は約2,366万立方メートルで、約450万立方メートルの不足が見込まれている。
特に大きな供給ギャップがあるのが埋め戻し砂だ。需要約5,289万立方メートルに対し、供給能力は約230万立方メートルにとどまり、不足量は約5,060万立方メートルに達するとされる。

こうした状況から窺えるのは、単一の資材が一時的に不足しているのではなく、建設需要の増加に対して複数の資材で供給能力が不足しているという点だ。
ベトナムの公共投資が建設資材需要を押し上げ
背景には、ベトナムで進む大規模な公共投資がある。
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