ベトナム消費者150名に聞いた対日ブランド調査

株式会社ネオマーケティング(東京都渋谷区、代表取締役:橋本光伸氏、東証スタンダード上場)は2026年6月5日、ベトナムにおける日本ブランドの認識・購買実態に関する調査結果を発表した。

調査はベトナム(ハノイ・ホーチミン)在住の18歳〜49歳の男女150名(ハノイ75名・ホーチミン75名)を対象に、調査員による対面聞き取り方式で2026年4月に実施された。

調査の結果、日本製品・サービスへの今後の購入意向は肯定的な回答が98%好意度は肯定的な回答が100%と、極めて高い水準にあることが明らかになった。一方で、価格の高さや模倣品への懸念など、購入の実行段階における障壁も浮き彫りとなった。

家電・二輪は圧勝、日本ブランドの選好度

「製品・サービスを購入・利用する際にどの国のブランドを選びたいか」という設問では、日本ブランドはファッション・アパレル、レストランチェーンの2カテゴリを除く全カテゴリでトップ3入りを果たした。

特に家電製品では98%、オートバイ・スクーターでは96%が日本ブランドを選択し、他国を大きく引き離す結果となった。自動車(82%)、ベビー用品(81%)、医薬品・サプリメント(79%)でも日本は1位を獲得している。

一方、ファッション・アパレル(41%・4位)とレストランチェーン(62%・4位)では、ベトナム・韓国ブランドが上位を占めた。これらの分野は日本ブランドの浸透余地が相対的に大きいカテゴリといえる。

当該製品・サービスを購入・利用する際にどの国ブランド、製品、サービスを選びたいか

(日本の選択率に基づく順位の高い順)※回答者:全員(n=150)

カテゴリ日本日本の順位1位2位3位
家電製品98%1位日本タイ韓国
オートバイ・スクーター96%1位日本タイベトナム
アニメ・漫画・ゲーム関連83%1位日本ベトナム中国
自動車82%1位日本米国欧州
ベビー用品81%1位日本韓国米国
医薬品・サプリメント79%1位日本米国韓国
化粧品・スキンケア75%2位韓国日本欧州
日用品・家庭用品70%2位ベトナム日本タイ
食品・飲料・スナック66%3位ベトナムタイ日本
文房具43%3位ベトナム中国アメリカ
レストランチェーン62%4位ベトナム韓国タイ
ファッション・アパレル41%4位ベトナム韓国中国

耐久性・信頼性で圧倒、日本ブランドの強み

ブランドイメージについて「どの国の製品に当てはまるか」を複数回答で聞いたところ、「耐久性・長持ちする」(100%)、「高品質である」(96%)、「技術的に進んでいる」(95%)、「信頼できる」(95%)、「安全で安心である」(95%)など、品質・信頼に関わる項目で日本ブランドが軒並み首位を獲得した。全16属性のうち15属性で日本が1位となっている。

唯一低かったのが「価格の手ごろさ」で、日本は21%にとどまり5位。ベトナム(95%)、中国(83%)、タイ(82%)が上位を占めた。「品質は高いが高価」というイメージが定着しており、これが購買行動における最大のギャップ要因となっている。

各項目のイメージについて「どの国のブランド・製品に当てはまるか」

(日本の選択率に基づく順位の上位10項目、および最下位1項目)※回答者:全員(n=150)

ブランドイメージ項目日本日本の順位1位2位3位
耐久性・長持ちする100%1位日本米国欧州
高品質である96%1位日本米国欧州
技術的に進んでいる95%1位日本米国欧州
信頼できる95%1位日本米国欧州
安全で安心である95%1位日本米国欧州
プレミアム感・高級感がある87%1位※日本米国※同率1位欧州
多くの人に推奨されている87%1位日本韓国米国
機能・用途がニーズに合っている86%1位日本ベトナム韓国
保証・アフターサービスが良い85%1位日本ベトナム韓国
価格に見合う価値がある84%1位日本韓国ベトナム
価格の手ごろさ21%5位ベトナム中国タイ

ベトナム消費者による日本製品への関心・好意ともに高水準

日本の製品・サービス・コンテンツ全般への興味度は、「非常に興味がある」42%、「やや興味がある」54%を合わせた肯定的な回答が96%に達した。ハノイでは100%という結果になっている。

好意度についても、「非常に好き」49%、「好き」51%で、肯定的な回答は全体・ハノイ・ホーチミンいずれも100%を記録した。

日本の製品・サービス・コンテンツ全般への興味度

(「あまり興味がない」「全く興味がない」は回答がなかったため省略)

※回答者:全員(n=150)

興味度全体(n=150)ハノイ(n=75)ホーチミン(n=75)
非常に興味がある42%44%40%
やや興味がある54%56%52%
どちらでもない4%0%8%
「非常に興味あり」「やや興味あり」の合計96%100%92%
平均スコア(5点満点)4.44.44.3
ベトナム消費者による日本の製品・サービス・コンテンツ全般への興味度

ベトナム消費者に選ばれる理由は品質、9割近くが支持

好意度の理由を自由回答で聞いたところ、回答内容を似た意味ごとにグループ分けして集計した結果、「製品品質」(耐久性が高い・品質が高いなど)を挙げた回答が89%と圧倒的に多かった。

次いで「機能性」(33%)、「安全性・成分」(31%)が続く一方、「価格・割引」を理由に挙げた回答者はわずか9%にとどまっている。消費者が日本ブランドを選ぶ動機は、価格ではなく品質への信頼が中心であることが明確に示された。

日本の製品・サービス・コンテンツ全般への好意度の理由(回答率順)

※回答者:全員(n=150) ※NET=自由回答のカテゴリ別集計

評価項目割合
NET:製品品質(耐久性・高品質・安定品質)89%
NET:機能性(最新技術・多機能・使いやすさ)33%
NET:安全性・成分(健康安全・厳格な品質管理)31%
NET:デザイン・外観(良いデザイン・シンプルでエレガント)26%
NET:ブランド認知・評判(信頼性・老舗ブランド)25%
NET:アフターサービス(保証・顧客対応)9%
NET:価格・割引(手ごろな価格)9%
ベトナム消費者による日本の製品・サービス・コンテンツ全般への好意度の理由

購入障壁:62%が「価格の高さ」を最大の理由に挙げる

日本製品・サービスの購入をためらう理由としては、「価格が高い」が62%で最多となり、特にハノイでは76%に達した。次いで「偽物や模倣品への懸念がある」(55%)、「どこで買えるかわからない」(27%)が上位に入った。

これらはいずれも製品品質そのものへの不満ではなく、価格・流通・真贋といった購入プロセス上の障壁である点が特徴的だ。消費者の関心は「品質を信頼するかどうか」から「信頼できる本物をどこで適正価格で購入できるか」へとシフトしていることがうかがえる。

日本製品・サービスを購入する際のためらいの理由や障壁:62%が「価格が高い」を障壁に挙げる

購入障壁の理由(全体結果の上位8項目)※回答者:全員(n=150)

購入障壁の理由全体(n=150)ハノイ(n=75)ホーチミン(n=75)
価格が高い62%76%48%
偽物や模倣品への懸念がある55%61%49%
どこで買えるかわからない(見つけにくい)27%33%21%
アフターサービス・保証への不安21%27%16%
魅力的なプロモーションがない19%13%24%
日本語で使用方法が理解しにくい19%27%12%
紹介してくれる人が少ない16%15%17%
広告が少ない12%9%15%
ベトナム消費者による日本製品の購入障壁の理由(全体結果の上位8項目)

ベトナム消費者による将来の購入意向は98%、高まる期待感

今後、日本の製品やサービスを積極的に購入・利用したいと回答した割合(肯定的な回答の合計)は98%に達した。「ぜひ購入・利用したい」49%、「購入・利用したい」49%とほぼ拮抗している。年代別に見ると30〜39歳層では100%、性別では女性が99%と男性の97%をやや上回った。

品質への強い信頼が将来の購買意欲として明確に表れており、価格・流通・模倣品懸念といった障壁の解消が次の課題となる。

今後、日本の製品やサービスを積極的に購入・利用する意向

(「あまり/全く購入・利用したくない」は回答がなかったため省略)

※回答者:全員(n=150)

購入・利用意向全体(n=150)ハノイ(n=75)ホーチミン(n=75)
ぜひ購入・利用したい49%61%37%
購入・利用したい49%39%59%
どちらでもない2%0%4%
購入意向あり合計98%100%96%
平均スコア(5点満点)4.54.64.3
ベトナム消費者が今後、日本の製品やサービスを積極的に購入・利用する意向

情報収集の経路:友人・家族からの口コミが最多の78%

新しい製品・サービス情報の収集チャネルとしては、「友人・知人・家族からの口コミ」が78%で最多となり、特にハノイでは95%と圧倒的な数値を示した。次いで「Googleなどの検索エンジン」(68%)、「Facebook」(67%)、「店頭情報・POP広告」(59%)、「ECプラットフォーム(Shopee等)」(47%)と続く。

地域別では、ハノイは口コミ・Facebook・Google検索といった対人・SNS型のチャネルが強く、ホーチミンはECプラットフォームやYouTube、TikTokといったデジタルチャネルの利用率が相対的に高い。地域特性に応じたマーケティング戦略の使い分けが有効といえそうだ。

新しい製品・サービスや新ブランドの情報収集チャネル(全体結果の上位8項目)

※回答者:全員(n=150)

情報源全体(n=150)ハノイ(n=75)ホーチミン(n=75)
友人・知人・家族からの口コミ78%95%61%
Googleなどの検索エンジン68%81%55%
Facebook67%84%49%
店頭情報・POP広告59%61%57%
ECプラットフォーム(Shopee等)47%40%53%
ニュースサイト・情報サイト33%39%27%
YouTube23%17%29%
TikTok21%16%27%
ベトナム消費者による新しい製品・サービスや新ブランドの情報収集チャネル(全体結果の上位8項目)

ベトナムでの日本製品の信頼は確立済み、次の課題は価格と流通

今回の調査から、ベトナムの消費者における日本ブランドへの信頼はすでに確立されていることが明らかになった。品質・技術・信頼性といった評価軸では圧倒的な支持を集める一方、価格の高さ、模倣品への不安、流通面でのアクセスのしにくさが、購入意向と実際の購買行動の間にギャップを生む要因となっている。

日本企業がベトナム市場でさらなる販売拡大を図るには、品質訴求に加えて、価格戦略の見直しや正規流通チャネルの整備、口コミを起点とした信頼構築の強化が今後の鍵になるといえるだろう。