AI・クラウド需要でDC容量5〜6倍に急増
人工知能(AI)やクラウドの普及でデータ処理需要が膨らむ中、ベトナムではデータセンター(DC)への大型投資が相次いでいる。VnExpressが2026年8月26日に報じたところによると、ベトテルIDC(Viettel IDC)のレ・バー・タン(Lê Bá Tân)CEOは、国内DCの設備容量が現在約104メガワットから2030年までに5〜6倍の約600メガワット弱へ拡大するとの見通しを示した。
同CEOは、世界のDC市場が2030年までに6,274億米ドル(約100兆円)に達し、うちアジア太平洋地域が1,748億米ドルを占めると予測。成長率は世界全体の約8.8%に対しアジア太平洋は9.3%、東南アジアは約14%とみる。

ホーチミン市のDC開発に外資マネー流入加速
2026年2月、アラブ首長国連邦(UAE)のAI企業G42は、FPTとビエットタイ・グループ(Viet Thai Group)から成るベトナム企業連合と枠組み協力協定を結んだ。国内3カ所のDC拠点にクラウド容量を展開する内容で、公式発表では最大10億米ドルの利用コミットメントを伴う。報道では、ビナキャピタル(VinaCapital)を含む連合がホーチミン市のサイゴン・ハイテクパーク(SHTP)で20億米ドル規模のDCインフラを整備すると報じられている。
3月には、ロンドンと香港に拠点を置くと紹介される投資会社AICが同市科学技術局と覚書を交わし、キンバック都市開発総公社(KBC)などと共同で約21億米ドルのAI向けDCをクチのタンフーチュン工業団地に建設する計画を公表した。KBCとAICは2025年10月にも、大手銀行ベトインバンク(VietinBank)を交えて20億米ドル近くの覚書を結んでいた。
4月下旬には同市人民委員会が、総額12億3,000万米ドル超のハイテク事業4件に投資証明書を交付した。うちSHTPに立地するDCが、セムコープ・デベロップメント(シンガポール)とBBホールディングスの合弁「スターメーソン」(4億8,026万米ドル、最大60メガワット)と、シンガポール企業3社連合の「エボリューションDC VN HCMC」(5億878万米ドル、52メガワット)の両案件だ。

外資100%解禁とコスト競争力が追い風に
背景には制度転換がある。2023年11月に成立した改正通信法は、DCサービスやクラウドを電気通信規制の対象に加える一方、外資出資比率100%までを容認。法全体の施行は2024年7月で、DC・クラウド関連条項は2025年1月に適用が始まり、外国企業によるDCの完全保有・運営が可能になった。
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