ベトナム国会は2026年8月24日、中国国境に近い北部ラオカイ省と首都ハノイ、北部港湾都市ハイフォン市を結ぶラオカイ―ハノイ―ハイフォン鉄道の投資方針変更を承認した。概算総事業費は203兆2,000億ドンから289兆3,390億ドンへ約42.4%増える。実施可能性調査段階での積算精緻化に加え、建設費・資材価格、2026年時点の用地補償・住民移転政策を更新したことが主因だ。
概算総事業費を289兆3,390億ドンへ引き上げ
ベトナム国会は8月24日、第16期国会第1回臨時会で、ラオカイ―ハノイ―ハイフォン鉄道の投資方針を修正する決議を可決した。出席議員473人のうち460人が賛成した。新たな概算総事業費は289兆3,390億ドン(VNA換算で約110億5,000万米ドル、約1兆2,400億円)となる。
2025年2月に承認された当初計画の203兆2,000億ドンと比べ、増額幅は86兆1,390億ドン。InfoBankの計算では増額率は約42.4%で、事業費は当初計画の約1.42倍となる。(為替換算額はレートにより変動)
増額のほぼ全ては建設・設備と用地補償
今回の増額は、単純な一律の物価上昇だけではない。政府説明によると、当初の概算は事業化前の調査資料を基にしていたのに対し、変更後は実施可能性調査で把握した数量、国内外の資材・設備価格、2026年までに更新された補償・支援・住民移転政策を反映した。
費目別では、建設・設備費が51兆2,100億ドン増え、増額分の約59.5%を占める。補償・支援・住民移転費は34兆8,490億ドン増え、約40.5%に相当する。管理・コンサルティングなどは約1,630億ドン増える一方、予備費は約1,140億ドン減る。

中国国境からハイフォン港までを標準軌で接続
路線は、中国との国境接続地点となるラオカイ省からナムハイフォン駅までの本線約363キロメートルと、合計約63キロメートルの支線で構成する。ラオカイ省、フート省、ハノイ市、バクニン省、フンイエン省、ハイフォン市の6省市を通る。
軌間は国際的に広く使われる1,435ミリメートルの標準軌を採用し、旅客と貨物の双方を輸送する。ラオカイ―ナムハイフォン間の設計最高速度は時速160キロ、ハノイ都市圏は同120キロ、その他の区間は同80キロとする。バクホン―ナムハイフォン間とイエンビエン―ザーラム間は複線、その他は単線で整備する。主要線とイエンビエン―ザーラム支線は電化し、港湾接続支線は当面ディーゼルを使用したうえで将来のクリーンエネルギー化を想定する。

2030年の基本完成へ、資金・用地・調達管理が焦点
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