日本の小売大手イオンモールが、ベトナムでの出店戦略を転換しつつある。首都ハノイと経済都市ホーチミンへの集中的な展開から一歩進み、地方の中核都市への出店を加速させている。
2026年11月には、世界遺産ハロン湾で知られるクアンニン省ハロン市にイオンの大型商業施設が誕生する。
イオンモール、ベトナム地方都市への出店転換
イオンモール・ベトナムによれば、同社はこれまでハノイとホーチミンを中心に展開してきたが、今後は成長余地の大きい地方中核都市への出店を本格化させている。
イオンは2026年から2030年までの中期計画で、ASEAN向け投資の約6割をベトナムに振り向け、事業規模を現在の約3倍、全国300店舗体制へと拡大する方針を掲げている。2026年単年で4施設を開業する計画であり、これはベトナム進出以来もっとも速いペースだという。
ハロンに誕生する新モールの特徴

新施設は11月11日に先行開業し、11月14日に正式開業する予定である。所在地はハロン市バイチャイ地区のカイラン通り288番地。敷地面積は約9万1000平方メートル、延床面積は約13万平方メートル、賃貸面積は約5万4000平方メートルにおよび、専門店数は約140店舗を計画している。
ユニクロや無印良品、ギャラクシーシネマ、コーナン、ファハサなどが出店し、その半数以上が同地域初進出となる見込みだ。飲食エリアでは、ハロン湾をモチーフにした「HOHOホール」を設け、ベトナム料理や和食、タイ料理を、食事だけでなくエンターテインメントとしても楽しめる空間に仕立てる。
館内には沈床式庭園やフォレストマーケットも設置され、大型LEDや照明、プロジェクションマッピングを用いてハロン湾の景観を演出する。建築デザインもハロン湾を航行するクルーズ船から着想を得ており、単なるショッピングセンターの複製ではなく、土地固有の文化を反映させる方針が随所に表れている。
イオンモールによる地域経済への効果波及

イオンはハロンのモールを「買い物の場」にとどめず、観光・生活・地域文化を結びつける拠点と位置づけている。館内のイオンハロンGMSは約8200平方メートルの規模で、ベトナム国内14店舗目のGMSとなり、地元住民の生活需要に加え、観光客やホテル・レストラン・カフェなど法人需要にも対応する。ハロン店単体で年間約700万人の来館者を見込んでおり、世界遺産観光と結びついた集客力の高さがうかがえる。
さらに注目すべきは防災面への配慮である。中部フエ店が大規模洪水に見舞われた際にほとんど被害を受けなかった経験を踏まえ、タインホア・ハロンの両施設は計画段階から洪水や気象リスクを調査し、止水設備や大型ディーゼル発電機(停電時最低5時間稼働)を備えるという。沿岸都市であるハロンにとって、商業施設の防災性能はブランド価値の一部となりつつある。
地方都市への出店加速は、単なる店舗網拡大にとどまらず、雇用創出や地域事業者との連携を通じて、ベトナム経済全体への波及効果を生み出す動きとして注目される。
イオンモールハロン 施設概要
| 施 設 名 称 | (日)イオンモール ハロン (英)AEON MALL Ha Long |
| 所 在 地 | No. 288, Cai Lan Road, Bai Chay Ward, Quang Ninh City, Vietnam |
| 電 話 番 号 | イオンモール ハロン : 未定 イオン ハロン店 : 未定 |
| 責任者 | イオンモール ハロン ゼネラルマネージャー 乾 真一郎 イオン ハロン店 店長 Le Van Hieu(レ ヴァン ヒエウ) |
| HPアドレス | halong.aeonmall-vietnam.com |
| 出店店舗数 | 核店舗 イオン ハロン店 サブ核店舗 UNIQLO、MUJI、Galaxy Cinema、コーナン、FAHASA専門店 140店舗 |
| 敷地面積 | 約91,000㎡ |
| 延床面積 | 約130,000㎡ |
| 総賃貸面積 | 約54,000㎡ |
| 駐車台数 | 平面、地下(施設全体)約6,500台(バイク)約1,500台(自動車) |
| 建物構造 | RC造 地上4階、地下1階 |
| 開店日 | 2026年11月14日(土)グランドオープン |
| 営業時間 | 10:00~22:00(平日) 9:00~22:00(土日) |
| 休業日 | 年中無休 |
| 従業員数 | 約3,700名 (内、イオン ハロン店 約400名) |
| 基本商圏 | 車30分圏内 約40万人 |

ベトナム経済メディアInfoBank 編集長
三浦 賢弥
KENYA MIURA
山形県山形市出身。筑波大学大学院でのベトナム研究・ホーチミン市師範大学での留学を経て、JETRO(日本貿易振興機構)に入構。
ベトナム進出コンサルティング・市場調査会社に7年間携わり、2026年1月にベトナム経済メディアInfoBankを企画・運営する株式会社InfoBase創業。代表取締役に就任。
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