靴小売り大手のエービーシー・マートのベトナム法人ABCマート・ベトナムは2026年8月29日、ホーチミン市の商業施設「AEON Mall Tan Phu Celadon(イオンモール・タンフーセラドン)」にベトナム5号店を開業する。

同社のIR資料によれば、ベトナムでの新規出店は3年ぶりの再開となる。内需拡大が続く同国では日系専門店の出店が相次いでおり、同社の動きは日系小売り各社にとっても市場の温度を測る材料となりそうだ。

ホーチミンのイオンモールに454平方メートルの店舗

新店の名称は「ABCマート・グランドステージ・イオンモール・タンフーセラドン店」。総面積は454平方メートルで、合計20ブランドを取り扱う。キッズコーナーはベトナム最大級といい、人気ブランドのアパレルの取り扱いも広げる。2023年に開業した旗艦のサイゴンセンター店に次ぐ規模だ。

ベトナム1号店として2014年開業

出店先のイオンモール・タンフーセラドンは、2014年1月に開業したイオンモールのベトナム1号店だ。イオンモールは同国で8施設(「イオンモール」ブランド限定)を運営する。イオンは2030年度末までにベトナムのショッピングセンターを約30カ所へ増やす計画で、モール網の拡大は出店先の選択肢を広げる見通しだ。

ベトナム進出から約4年、ABCマートの店舗数は5店で足踏み

ABCマートのベトナム進出は2022年10月。ホーチミン市1区にグループ初の東南アジア店舗を構えたのが始まりだ。2023年には4店を相次いで開き、秋のサイゴンセンター店で店舗網は5店に広がった。だが決算資料によれば、その1号店であるドンコイ店が契約条件の都合で2026年1月に閉店し、3月末時点の店舗数は4店に減っている。今回の開業は、いったん欠けた5店目を埋め直す形だ。

店舗の分布も見え方が変わった。2025年7月の行政再編でビンズオン省などがホーチミン市に統合されたため、3地域に分かれていた店舗網は現在、ホーチミン、ハノイの2市に収まる。

日系専門店のベトナム展開では、ユニクロは32店(2026年7月時点)、無印良品は19店(2026年8月時点)を展開する。

ユニクロ32店・無印良品19店に対しABCマートは5店「日系専門店チェーンのベトナム店舗数」
(出所)各社公式店舗一覧・公表資料をもとにInfoBank作成。ユニクロは2026年7月時点、無印良品は2026年8月時点、ABCマートは新店を含む。

IR資料が示すベトナム事業の位置づけ、中期目標は20店

同社が2026年4月に公表したIR資料では、ベトナムとフィリピンは韓国・台湾より前の「パイロットショップ/トライアル出店」の段階に置かれ、多店舗出店フェーズへ移行するタイミングを計るとされた。海外売上比率をグループの半分以上へ引き上げる中長期目標を掲げており、店舗数で韓国・台湾に大きく離されたベトナムは、伸びしろの大きい市場と位置づけられる。

韓国317店に対しベトナムは4店、今回の開業で5店に「ABCマートの海外店舗数(2026年3月末時点)」
(出所)エービーシー・マート「2027年2月期第1四半期決算」をもとにInfoBank作成。

ベトナム事業は計画の6店に届かず、売上高は連結の0.2%


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