ベトナムの通信・工業団地開発会社サイゴンテル(SAIGONTEL)は、南部タイニン省で第1期投資額35億米ドルのAIデータセンター複合施設を計画する一方、北部クアンニン省では総投資額約1兆5,200億ドンのドンチエウ工業団地を着工した。デジタルインフラの計画と製造業向けインフラの整備を、南北で並行して進める。

南部で最大200MWのAIデータセンター計画

サイゴンテルは8月28日、台湾や米国に拠点を置くワールド・ハーモニー・ユナイテッド(WVU)、シンガポールの投資会社SAIFイーグルIIと共同で、AIデータセンター複合施設の開発に関する基本合意書(LOI)を締結した。計画地はタイニン省タンタップ村のナム・タンタップ工業団地内で、敷地面積は20ヘクタール。同工業団地はサイゴンテル傘下のサイゴンテル・ロンアンが開発している。

計画する施設のIT負荷容量は最大200メガワット(MW)。第1期は100MWを整備し、投資額を35億米ドルと見込む。サーバーやネットワーク機器などIT設備が消費する電力規模を示すIT負荷容量で200MWを掲げている。

事業主体は2026年第4四半期(10~12月)の着工と27年の商業運転開始を目標に掲げる。ただし、現時点では提案段階で、投資手続きや関係当局の承認が前提となる。サイゴンテルは電力供給計画を作成し、承認申請に必要な書類を提出する方針で、電力の確保と許認可の進捗が工程を左右する。

国際3社連合で役割を分担

サイゴンテルは、複合施設の用地や工業団地インフラ、国内での事業推進を担う位置付けだ。同社はベトナムのICT大手SGIグループ傘下で、通信インフラと工業団地開発の両分野を手掛ける。既存の工業団地を計画地とすることで、土地造成や接続インフラをデータセンター開発に組み合わせる構想とみられる。

WVUはハイテク・再生可能エネルギー分野の事業会社で、台北市で容量32MWのハイパースケール型データセンター計画に参画している。SAIFイーグルIIは投資組成や国際的な資金調達を担う。

タイニン省はホーチミン市に隣接し、製造業の集積と都市圏のデジタル需要を取り込める立地にある。一方、大規模データセンターでは安定した電力供給、送電網への接続、冷却用水、通信回線、設備の冗長性などが必要になる。計画の具体性を判断するうえでは、投資認可に加え、電力契約や設計仕様、顧客確保の開示が焦点となる。

AIデータセンターの事業体制、開発計画、実現条件
サイゴンテルらによるAIデータセンターの事業体制・開発計画

北部で116.92ヘクタールの工業団地着工

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