ベトナム政府は、ホーチミン市都市鉄道(メトロ)1号線を南部ドンナイ市のロンタイン国際空港まで延伸する事業を「緊急工事」に指定した。延伸区間は約44.5キロ、最高設計速度は時速120キロ。既存1号線を空港アクセスへ広げ、2026~30年の事業化を急ぐ。

メトロ1号線をロンタイン空港まで44.5キロ延伸

スイティエンからドンナイ行政センターを経由

政府は8月27日、決議255号(255/NQ-CP)を発出し、ベンタイン―スイティエン間のメトロ1号線をドンナイ市行政センターとロンタイン国際空港まで延伸する事業について、2025年建設法第70条第2項に基づく「緊急工事」として実施する方針を正式化した。事業主体となるドンナイ市人民委員会に対し、建設法や官民連携(PPP)方式の投資に関する法令に沿って事業を進めるよう求めた。

政府広報によると、延伸区間の総延長は約44.5キロで、最高設計速度は時速120キロ。第1区間はスオイティエン駅からドンナイ市行政センターまでの約7.1キロ、第2区間は行政センターからロンタイン空港までの約36.4キロで、駅や車両基地(デポ)、関連施設を整備する。

ドンナイ市の説明では、延伸区間のうち約2.9キロがホーチミン市内を通り、タンバン付近からドンナイ川を渡って国道1号沿いに行政センターへ向かった後、計画中の鉄道回廊や省道771号を経て空港に接続する。既存のメトロ1号線はベンタイン―スイティエン間19.7キロ、14駅で、2024年12月22日に営業運転を開始した。路線延長ベースでは、既存区間と延伸区間を合わせて約64キロ規模の鉄道軸となる。

事業費約60.3兆ドン、PPP・BT方式を軸に検討

ドンナイ市が7月末に示した提案では、総事業費は約60兆2,610億ドン、使用する土地は約192ヘクタールで、このうち補償・支援・再定住費は約4兆3,230億ドンを見込む。実施時期は2026~30年を想定し、PPPのうち建設・移転(BT)方式を軸に検討している。建設部分は民間投資家が担い、用地取得は別事業として進める構想だ。

ただし、政府決議255号は事業を「緊急工事」として進めることやPPP関連法令の順守を求めたもので、最終的な総事業費、契約条件、投資家、資金調達方法まで確定したものではない。ドンナイ市は用地取得事業を本体から切り離し、2026年末までの基本完了を目指しており、今後は投資家選定と用地確保を並行して進められるかが工程を左右する。

「緊急工事」指定で空港アクセス整備を前倒し

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