ベトナム南部のホーチミン市で、新築マンションの供給が高級価格帯に偏る傾向が強まっている。英系不動産サービス大手サヴィルズ・ベトナムによると、2026年上半期(1〜6月)の新規供給は3,700戸で、その8割は1平方メートルあたり1億2,000万ドン超の物件だった。住宅ローン金利の上昇も重なり、実際の成約は供給の回復に追いついていない。
ベトナム・ホーチミン市の新築供給は上半期3,700戸
サヴィルズによると、2026年第2四半期(4〜6月)の新規供給は1,800戸で、上半期を通じて7案件が販売を開始した。長く供給難が続いた市場としては明確な持ち直しだが、価格帯の内訳は偏っている。
新たに販売された物件はいずれも1平方メートルあたり9,000万ドン以上で、全体の約8割が1億2,000万ドンを超える。中心となる価格帯は1億2,000万〜1億3,000万ドンで、最も高いパームシティ2期は1億6,800万ドンに達した。普及価格帯と呼べる住戸は、事実上市場から姿を消している。

ベトナムの住宅ローン金利13%が購買意欲を冷やす
供給が戻る一方で、需要側の環境は厳しさを増している。第2四半期末時点の吸収率は新規供給を含む市場全体で32%、成約件数は約1,500件にとどまった。
背景にあるのが資金調達コストだ。住宅ローンの平均金利は年13%と前年から4ポイント上昇し、与信審査も厳しくなっている。開発業者は当初1〜2年の金利補助や、10%程度に固定する優遇パッケージで負担軽減を図るが、購入判断を先送りする動きは続く。
サヴィルズ・ベトナムで調査部門副ディレクターを務めるカオ・ティ・タン・フオン氏は、より高い資金力を求める商品へ市場が移り、購入できる層との差が広がっていると指摘する。
ベトナムの手ごろな価格帯はなぜ消えたのか
続きを読むには会員登録またはログインが必要です。
